変わること。
変わらないこと。
「皮は生きています。 1枚として同じ物はありません。 皮1枚のどこをどのようにして使うか。皮を見る眼を養うこと。性格を知ることから、鞄作りは始まります。」
輸出用・国内用グローブをはじめ、常に新しい挑戦を続けるナイガイ。そのベースには長年培ってきた経験がある。
「紳士用が6〜7割を占めています。 旅行用バッグやショルダーバッグが多い。 素材は9割が牛皮です。 だから皮を見る目が必要なんです。」 紳士物の鞄に必要な要素、それは見た目はどっしり、持ったら軽く。
「デザインとの兼ね合いもありますが、一番手をかけるのはとっての部分です。 握りやすくて、しかも強くなければならない。 実際に幾度も握って確かめます。 微妙な感触なのですが体が覚えてくれています。」
職人のカンと長年の経験が必要とされる鞄作り。 近年では携帯電話やパソコンなどビジネス形態の変化と共に現れたニューメディアに対応した、新しい機能が求められるようになってきた。
「ファッションのひとつである鞄ですから、変化があるのは当たり前のこと。しかし、それをカタチにする技術は変わることはありません。職人の技術を伝えていく。 これも私たちの仕事だと考えています。」
現在、鞄の生産はスリランカ工場へと移行。 熟練の技術は彼らへと受け継がれつつある。
鞄、そしてグローブ、時代とともに必要とされるファッション性、機能をカタチにしていく。
ナイガイの経験がカタチになる瞬間である。